美しいハーモニーと心に響く歌声 アンサンブルクライス

アンサンブルクライス
homemail facebook

インフォメーション&ヒストリー

2001年6月30日(土) 第7回定期演奏会~20世紀の名曲をあつめて~

2007/3/23
指揮:常森闘志
合唱:アンサンブルクライス
●ハウエルズ「ドリア旋法によるミサ」
●ラ・クール「三つのラテン語によるモテット」
●ブスト「アヴェ・ヴェルム・コルプス」「われらの御子は生まれ給いぬ」
●ニーステット「歌い喜べ」
●ホヴランド「エルサレム」
●カザルス「汝らすべて道行く人よ」
●マンティヤールヴィ「アヴェ・マリア」
●ジャシンスキー「アレルヤ」 他
**常森闘志氏のメッセージ**

 アンサンブルクライスに接するようになって数年になりますが、特にバッハに対する姿勢には真面目なものを感じていました。ずっとバロックやそれ以前のものに取り組んでいられましたが、昨年ベックさんとの演奏会(2000年5月20日「第6回定期演奏会」)で、近代の作品に挑戦されたのを聴かせていただき、この団も特定の作曲家や、特定の時代だけに限って演奏するわけではないことを知りました。
 昨年の流れをさらに進めて、今回の演奏会では、大半が近・現代の作品となり、無伴奏の宗教曲だけでプログラムを組んでみました。ここ品川教会グローリアチャペルでの演奏は、会場の雰囲気と相俟って素晴らしいものになることと思います。
 現代曲と聞きますと、奇異で難解な曲というイメージを持たれるかもしれませんが、そんな曲ばかりではないことを知っていただきたいという思いもありました。
 20世紀後半から、現代曲の作曲方向もだいぶ変わり、それまでの新しい技法や新しい音を追求する動きがやや下火になり、美しさや平易な感じを求める動きが見られるようになってきたように思います。合唱音楽の世界でも同じで、トルミス、ラウタヴァーラ、シェーファーといった、超難解な作品を書く作曲家にも見られる傾向ではないかと思います。また異なった見方をすれば、現在の情報社会では、世界中の音楽情報が、一昔前に比べると格段の速さと広さで私たちの手元に届くようになり、その膨大な作品の中から、各演奏団体は自分たちに合うものを自由に選んで演奏できる時代となりました。
 昔なら、その作品や作曲家がヨーロッパで認められたものだけが、我々の耳に届いたのですが、今や各国各地の非常にローカルなものや小さな活動でも、それがメディアにのって瞬時に世界中のものとなるのです。それらの作品の中には、超現代的なものから、民族的なもの、さらに地域のいろいろなレヴェルの要望に応えたものまで雑多に混じっています。それらの作品の中から自分たちの合唱団に合ったものを選べるのです。結果的にアマチュアの好みも十分反映されるということです。
 また、日本の特殊事情もあります。日本では宗教音楽はほとんど作曲されていません。ですからそれを補い、埋めるものとして外国の宗教音楽を演奏しています。いきおいキリスト教の音楽となります。
 ある日本の若手作曲家が羨ましそうに言っていたのですが、「ヨーロッパの作曲家は、行き詰ると宗教曲に帰っていけるからいいですね」と。ヨーロッパでは、グレゴリオ聖歌から綿々と続く宗教曲は、確実に現在にまでつながっているのです。その宗教曲の大きな一貫性を持った流れと変化を聴いていただきたいと、今夜の選曲となりました。
前のページへ戻る